仲間。

月1回のSP定例会。 まだまだ仲間が集まる機会は少ないけれど その分、1回1回の時間がとても嬉しい。 参加出来ない仲間も、メールや電話で伝えてくれる。その事も嬉しい。 今日、広島の佐々木さんから久しぶりに電話があった。 「今日参加できなくてすみません…

姉と生きた日々。

姉の供養にと、姉と過ごした日々を書いた日記を読み返した。 「人間であるということ。人と人であること。そこを大事にしなければ医療は成り立たない」川崎医科大学の実習で、SPとして伝えたことを話すと 姉は「すごい!」と、拍手してくれた。 そんなことが…

どれだけの時を経たとしても。

どれくらいぶりだろう。 岡大で行われたがんプロ研修会に参加した。 ステージ4で肺がんが見つかった姉が亡くなって 1年と2ヶ月。私の子宮体がんの手術をしてからもうすぐ1年になろうとしている。 そんな時に、この場でSPをすることになった。 「切り替え…

濃厚接触者としての6日間。

家族が陽性とわかった。 朝から微熱と喉の違和感と、それ以上に精神的な重さが伝わってきた。少し大仰に言うと絶望感にも似たものだ。 発熱外来で陽性とわかるまで、1時間半も車の中で待ったという。暑い暑い日だった。 その暑さの中待ち続けてやっと解放さ…

足立先生。

倉敷中央高校看護専攻科での2回のロールプレイ。 1回目は看護学生森さんとのロールプレイだった。 昨日、余命宣告を受けた患者竹内は麻薬を使うことを拒否している。 森さん「麻薬をなぜしたくないのか聴かせてもらえますか?」 その眼差しは深くて、思わず…

岡大歯学部SP参加型医療面接実習。

今年の実習で、最後に学生たちの感想を聞いた。 こころに残る感想たちを残しておきたい。 「プロのSPさんとロールプレイをすることで、やり取りが本物になっていくのをみた。今までの性格を否定せず、自分の人格をすり合わせていくことで、相手とも繋がって…

岡山大学医学部にて。

今年も4年生の総合診療医学の授業に参加した。 学生たちの希望で、今年もオンラインになった。 それには訳があったのだと思う。 デモンストレーションを、全員が同じ角度で すごく近くにみることができるからではないか。 光田先生の医療面接から“映像を思い…

桃たち。

桃農家に嫁いで5年目の夏。 毎日毎日朝早くて、袋かけの重労働は続き。 収穫の時の炎天下の暑さは尋常ではなく。 その中で桃たちは、待ってはくれない。 桃が一気に育つと、発送に追いつかず。 夜なべが続き。 雨が少ないと実が大きくならなくて、ご注文の玉…

動揺。

ファミレスに行って、会計の時だった。 いつもならPontaカードを出すのだけれど「ポイントカードをお持ちですか?」と、聞いてきた若い女性スタッフの手が示す表示に、Pontaカードが消えている。 思わず声にしていた。 「あれっ、Pontaカードは?」 「ポイン…

SPの一番長い日。

とも言える日だった。 SP1人が24名の学生と向き合ったPCC OSCE。 医療面接だけでなく、初の身体診察も果たした。 長い1日が終わって、仲間と見上げた夕焼け。 忘れない。

倉中看護パート3 時本先生

最後のロールプレイだった。 その看護学生は「ゆっくりで大丈夫ですよ」その言葉を何度も繰り返しながら、福山に触れようとはしなかった。 気持ちも近づいてこなかった。 トイレに行こうと、右手で握る点滴だけが支えだったが、左手でも必死にベッド柵を持ち…

倉中看護パート2 有本くん

「男の子で頑張ってるんやねえ」と、言うと 「ただ男というだけです」と、まっすぐに返された。その反応が正直で、ちょっと恥ずかしくなった。福山も、それから正直になれた。 もう長くない。その気持ちはごまかせない。 有本くんは、福山の肩を支えながらそ…

倉中看護パート1 黒瀬さん

腹水が溜まって、余命短い福山さん。 必死でトイレに行こうとする場面。 学生の黒瀬さんは、ロールプレイの後の感想で 「いい感じの言葉選びが出来ない」と言った。 振り返った時、2つの場面を思い出した。 薄いストールをお腹の上にかけていた。 入院する前…

嬉しい出会い。

Timeで、猫の2kg入りの療養食を買おうとしたら いつも躊躇してしまう5kg入りの療養食を 若者カップルが、よいしょと持ち上げた。 割安とは言えど、5kg約8,000円を出すのは いつも躊躇する。 思わず話しかけた「療養食なんですね」 すると、女性の方が、飼っ…

“オンライン距離”

岡山県立大学栄養学科で 2年ぶりの対面実習に参加した。 マスクをして、フェイスシールドをした学生たちは、不思議な距離感を持っている。 SPをしていても、こころがあまり波立たない。 すーっと時間が流れていく感じ。 あれっ、終わった?という終わり方。 …

残しておきたいこと。

仲間と話していると 思わず引き出される想いがある。 なんの脚色もない顕な想いだ。 「人生振り返ると汚点ばかり」と出た言葉に 続いた。 「その汚点が輝いて、映像になって浮かんで、私に今話しかけてくれてる」 「辛かったなあ。寂しかったなあ。苦しかっ…

SP勉強会。

ロールプレイをするつもりだったが、シナリオのイメージを分かち合うことに変えた。 集まって話せるだけでも、もうそれだけで嬉しい。 それで時間がなくなってきたというのもあった。 でも、それぞれのイメージを聞くだけでも 刺激的な時間だった。 それだけ…

今の岡山SP研究会。

倉中看護の時本先生が、理事会総会で感じたことを話してくださった。 静かに、そして、気持ちが湧いてくるように話されるなあって、感じた。 でも、その内容はとても熱かった。 「私はSPさんのことがわかってなかったのだと思います。みなさん自由だったでし…

OCSIA日記。

テーマは、初診-患者の背景に迫る。 SPのフィードバックの後に、その患者の背景を伝えると、学生たちはどよめく。 何よりもその反応が大きい。 いやいや、答え合わせじゃないから。 患者の背景って、聞けなかったとか、聞けば良かったとか。そうやってロール…

呼びかけだと受け止められる、今。

岡大歯学部OSCEと、高知大PCC-OSCEの日にちが重なった。 人数調整をどうするか、私は慌てた。 相談した結果、岡大歯学部に対して、新しい形をこちらから要望することも必要ではないか。 これはその呼びかけではないか。と、仲間と共にそこに至った。 どんな…

私たちの理事会総会。

わからないことを「わからない」と言える。 どきどきと緊張して声がうわずっても それがとても自然で。 それでも、しっかりと場が定まっている。 それは、なんて自由だろう。 一人一人が、ただ存在している。 それは、なんてあたたかいだろう。 そんな場が出来…

桜の季節。

大阪医科薬科大学の看護学科の先生方が 4名、“SP学”研修会に参加してくださった。 これからSP養成講座をするために 私たちが大事にしているSP養成講座の空気感を体験しに来てくださった。 それだけでも嬉しい。 が、先生方の登場は開始時間を少し過ぎていた…

“SP学”

2001年から SP養成講座が始まり、SPとは?に向き合い、 言葉で、スライドで形にすることを続けてきた。 そして、仲間と山を越え、谷を渡りながら切磋琢磨し続けて、岡山SP研究会が求める“SP学”となった。 今は、胸を張ってお伝えできる。 何も力を入れる…

隠れ蓑。

初めての薬局に入るとすぐにスタッフが近寄って来た。 「薬で困ってることはありませんか?」 「ん?」 笑顔のまま、私を見ている。 「今?」 「はい!」 「今はないかな」 「ではかけてお待ちください」 声のトーンは変わらない。 しばらくして、そのスタッ…

認定標準模擬患者養成。

試練は呼びかけ。と、聞いたことがあるけれど。 国が動き始めたやり方に、私はついていけないと思った。 送り続けられる長い文面にもげんなりしていた。 試練は呼びかけ。それは確かだ。今だから思えている。 まずは、このことをどう受け止めるか。 腹が座っ…

西村先生。

看護学科で、終末期の入院患者、中井として6回のロールプレイをした。 ファシリテーターの西村先生の言葉がこころに残った。 その学生は冷静に振舞ってるいるように見えた。 趣味はなんですか?不安はなんですか? 表情が変わらない。質問が続いた。 中井は…

嬉しかった。

お店に入って、10cmほどの段を上がろうとすると、大胆につまづいた。 両側に持てる場所があり、瞬間掴んだので転ぶことはなかったけど、必死で転ぶまいとして踏ん張った足が、床を踏み鳴らしてしまった。 ダンッ!!大きな音が響いた。 周りの人達がいっせ…

看護教育。

最期は家で過ごしたいという終末期の中井さんという患者だった。 「早く退院したいんですね?帰ったら何がしたいですか?」 「・・・ここで死にたくないから」 「ここで死にたくないんですね」 繰り返された。 「今、何か不安がありますか?」笑顔に見えた。 え…

SPから伝えたいこと。

今年もオンラインでのSP演習になった。 コミュニケーション障害学科SP演習の最後に 「SPから伝えたいこと」をスライドを使って話した。上手くいかない。ばたばたとこころが落ち着く間もなく、てんやわんやで始めてしまった。 どの様にスライドが映って、そし…

山や谷が深ければ、人生の景色はより美しい。

岡大医学部2年生の医療面接実習。 大学には赴けたけれど、学生とはオンラインでの面接になった。 大学の設備もどんどん整っている。学生達もオンライン慣れしているのだろう。そんなに大きなアクシデントもなかった。 さて、そんな中での出来事。 私は石川さ…