賞賛

父は大正9年、母は昭和3年生まれだった。

父は憲兵として満州で戦争を体験している。

母の父親は軍人で、支那事変で戦死したという。

そんな両親に「天皇陛下万歳!」の精神や軍歌を教わって育った私は同年代の人々よりも少し違う感覚が備わっているかもしれない。

 

私がよく使う言葉がある。

「敵ながらあっぱれ」

ごく自然にこの言葉が出てくる。

言われた相手はだいたい「敵かい!」とこの敵という単語に反応する。

返されて、あっなるほどと思うものの、いやいやそこじゃないとも思っていた。

 

先日のOCSIAのオンライン交流会で仲間のSPを久々に見た時に、これまた久々に「敵ながらあっぱれ」という言葉が出てきた。

いい!と思ったらその言葉がぱっと浮かぶ。

その時ちょっと立ち止まってなぜこの言葉?と、考えてみた。

戦争中に敵というのは命がけの対戦相手だ。

そんな相手に「あっぱれ」と言えるのは

そりゃあよっぽどのことだ。

それほどの賞賛だ。最上級の表現だ。

 

そうなんだ。

そこを伝えたかったんだ。だからいい!と思った時にこの言葉が出てくるんだ。

やっと納得できた。

 

「敵ながらあっぱれ!」

SPに対して使えるのは、なんて幸せなことなんだ。

と、1人ほくそ笑んでいる。