関西福祉大学看護学科にて。

脳梗塞片麻痺になった内田に質問がどんどん続いた。

「家でご飯は何を作っていましたか?」

「料理は好きですか?」

「娘さんとは何を話されるんですか?」

明日の手術がこわいと言うと

「趣味はなんですか?」

ああぁぁぁ、あるあるが出たあ。

なんで、その質問をされるのかわからなかったと

フィードバックをした後、

学生は堪えきれないように涙を流した。

「少しでも内田さんを知って、退院してからも元気でいて欲しいと思った。こわいと言われたのに聞き出せなかった」

言葉の意味が今ひとつわかりづらかっかけれど

あの質問たちは、“帰って元気でいて欲しい”という気持ちだったんだ。

そのことだけは、こころを打った。

 

「メモを見ながら話していいですか?」

いきなり言われて、どう解釈していいかわからないまま、今度の学生はメモを見ながら質問を続けてきた。まるでそれは記者?のようだった。

「言葉はわかりやすかったが、聞かれる想いが伝わってこない。わからないから内田は答えたくなかった」

フィードバックの後、学生の想いだ。

「メモに頼ってしまった。内田さんがどう思っているんだろうと耳を傾けるべきだった」

 

学生たちは、患者のことを想ってこそ

準備をしてきている。

その準備を、思わず手放せた時に

うーんと距離が縮まる。

その体験ができた学生は、きっと大丈夫だ。

そう信じている。