転移性脳腫瘍で入院している、余命3ヶ月の鶴田という役。
ある男子学生。ロールプレイが終わっての感想だった。
「鶴田さんの話に踏み込むべきか、話題を変えるべきか迷った」
島谷先生
「迷う時はおおよそ突っ込んでもいいかな。僕はそう思うよ」
学生は最後に感想を言った。
「思い切って踏み込んでみようと思います。それから患者さんの反応次第で対応を変えればいいんだと思いました」
ある女子学生との面接で、鶴田は泣けた。
「体調はどうですか」
「どんなリハビリをしていますか」
「入院生活はどうですか」
そんな情報収集の面接ばかりだったのに。
その女子学生は違った。
「1ヶ月前から左手が動きにくくなったと聞きました。それはどんな状態だったのか教えてもらえますか」
鶴田「お盆を持ってたのに、急に落としちゃってね、、」
私のことを想像してくれている。
ずっとそうやってそばにいてくれる。
「もうリハビリしたないんよ。帰りたいん」
学生は「すみません」と謝りながらも
「頑張っておられるんですね」と。
鶴田はフィードバックで「ありがとうと言いたい」と、伝えた。
そして、その学生の最後の感想だった。
「ただ聞くしかできなかった。感情に寄り添えたかもしれないけれど、情報収集ができなかった」
島谷先生は続けた。
「ひとつ付け加えさせてください。お盆が持てなくなったと鶴田さんは話してくれた。それこそが何よりの情報収集です」
島谷先生
SPとしてこころから言いたい。
ありがとうございました。