ある場面。

台車に10個ほどのダンボール箱を積み上げて渡っている男性とすれ違う数名を見ながら左折しようとしたら、ダンボール箱が崩れ落ちて道路に散乱した。いっせいに横断歩道を渡っていた人たちが集まってダンボール箱を台車に戻そうとしている。その様は人々の動きがまるで申し合わせたように自然で、あっという間のことだった。

それからゆっくりと車を走らせながら台車を運んでいた男性を見ると、そりゃあ真っ赤な顔だった。白いマスクがよりその赤さを際立てていた。

なんともいえずにんまりしてしまった。

いい場面に遭遇したもんだ。