忠田正樹先生

NPO法人岡山医師研修支援機構の忠田先生と対談という形で、出会いを頂いた。

質問をして下さる中で、SPのことを本当に知ろうとして下さっているのが充分すぎるほど伝わってきた。

 

神経内科が専門だったとお聞きして、パーキンソン病症候群だった母の話を聞いて欲しくなった。

「母は書道が好きでした。真面目で堅いイメージの書道でしたが、死ぬ前に震える手で本当に自由に“真”という文字を書いていたんです」

「そうですか。それを持っておられるんですか?」

「はい。持っています」そう答えると

「それは良かった」静かに息を吐くように言われた。

母の“真”という文字を久しぶりに思い浮かべた。

すでに悲しいだけの思い出ではないことに気づいた。

 

冷たいだけと思っていたものに温もりが加わり。

悲しみがあたたかさに転じる。

受け取ってもらう。そしてそれ以上に、想像してもらえる。

そこにはこうした奇跡が起こるのかもしれない。

 

忠田正樹先生。ありがとうございました。