私の大好きな場所古着屋セカンドストリートに行った時のこと。
ベトナム人だろう若い女性が4名ほど、夢中で古着を物色していた。
1人の女性が両手に古着を抱えて試着室にサンダルを脱ぎ捨てるように入るところを見かけた。
少し呆れた。サンダルが脱ぎ散らかされたままだ。
「ちゃんと揃えなさい」こころの中でその言葉がかすった。
それから少ししてのこと。
使おうとした買い物かごの中にハンガーが2個入っていたのを取り出そうとしたら、下に落としてしまった。
すると、ベトナム人の女性がすっとそのハンガーを拾ってくれた。
「あっ、すいません」と言うと
「大丈夫です」と柔らかい声で返してくれた。
後から思う。
「靴を揃えなさい」と母に言われて育った私は、それが当たり前で、それができない人のことを呆れた気持ちで見ていたのだ。
自分の中でそうやって“正しさ”が育ち、いつしか当たり前過ぎるほど強固なものになり、できているかできていないかで人を判定してしまうのだろう。
その彼女の気遣いのできる優しさなんか二の次になるところだった。
見えないものを見ようとするまなざしを育む。
おっと、これも「SP学」の一つだなあと思った。