両親が早く亡くなったのもあり
親戚付き合いもなく、法事というものに久しく関わりがなかった。
その上、嫁として初めての法事でもあり
肩に力が入っている。
桃農家ゆえ、離れた所に倉庫がある。
その倉庫から、“法事用”と紙が貼られた2つの箱が運ばれて来た時、より気合いが入った。
祭壇が作られていく。
位牌を移動させて、一旦終了。
その後は、お持ち帰りセット?を準備する。
こんなことまでするんだね。いちいち感心しながらの作業は続く。
午後からは墓掃除。
いつまで続くのだろうと思った。
その時だった、墓石をたわしで洗っていた右手が
石と石の間にちょうどはまりこんで動かなくなってしまった。しばらくもがいてなんとかはずれた。
今度は餅つきだ。
家族総出で、餅を丸める。みんなでできるのは
これは、ちょっと楽しかった。
それから、お供えのバナナを農協に取りに行く。
バナナ?注文?。???のままだった。
すると、スーパーのカウンターの向こうに大きなバナナの房が見えた。
なるほど、房を分ける前に準備してもらうんだ。
が、しかし、その大きさはあまり見ることもない大きさで「ゴリラの集まりか?」と、つぶやいた。
続く―。