残しておきたかった。

こんなにこころに残るフィードバックの時間はなかった。

看護のOSCEとは言えど、10分間を使い、学生とSPと先生とロールプレイを振り返る時間。

SPとして、なんて幸せだったろう。

「ああするこうするではなく、その瞬間どう思った?」

振り返りながら、つい説明をしたくなる、ついこうしたらよかったと言いたくなる、その学生たちに、先生方はそこを切り込んでいく。

上野先生「優しさは患者さんに充分伝わっていた。でもその優しさも技がない(技術が伴わない)と、空虚だよ」

上野先生「寝巻きの青色が似合いますね、なんてそんな言葉出ないよ。でも心根から出てた。心根から出る言葉は患者さんと融合するよ」

 

SP「ごめんなさいが多すぎて、片麻痺の自分も迷惑かけて申し訳なくなってきた」

上野先生「ごめんなさいは口癖?」

学生「口癖です。どうしても出てしまいます」

上野先生「それがどんな風に影響するか考えたことはある?」

学生「壁をつくってしまうと思います」

上野先生「そうかあ。そう気づいてるんだ。口癖を変えろとは言わない。でも、その口癖が邪魔して、せっかくのこころの中の大事なものが見えない。与える影響を思う時、どうだろう。変わりたいよね」

 

SP「さすられる時間が長くて、なんか違和感も感じた」

上野先生「さすってる時、どう思ってたの?」

学生「、、早く終わりにしたいな、」

上野先生「そうかあ。そこをよくつかんだ」

 

書ききれない、その時間のこと。

どこまでも学生の気づきを引き出す時間。

SPとして、忘れたくない。

こんな教育がある。

そして、これからもきっと続いてく。

 

残しておきたかった。

倉敷中央看護専門学校にて。