毎熊先生の授業

久しぶりの就実大学

そして、毎熊先生の薬学部3年生授業に今年も参加できた。

全てが当たり前ではなくなった今

毎熊先生と打ち合わせのために机に着いただけで

も、ぐっとくるものがあった。

 

全体の流れとシナリオについての打ち合わせが終わると、自然に気持ちの共有へと移っていた。

これがどれだけ大事か改めて実感することになった。

自分を感じることができて、あとは場に委ねればいいといつしか気持ちが定まった。

 

5分ほどSPのことを話す時間をもらうのだが、いつの間にか言葉になったものを、ただ私が話しているという感じで。

委ねるって、もしかするとこんな感じなのかもしれない。

 

毎年、学生の代表1人とデモンストレーションをするのだが、毎熊先生は今年も希望者を募る。

静かに待つ時間が、今年は特に優しい時間に感じた。誰かがしっかりと他者を信じる時、こんな優しい気配が流れるのだろうか。

でも、その気配はすぐに変わった。

「あっ、まっすぐに手を挙げてくれました!」

毎熊先生の輝くような笑顔を見た瞬間、後ろを振り返ると、確かに1人の男子学生がまっすぐに手を挙げてくれていた。

 

授業が終わると、毎熊先生はアクリルの衝立を急いで消毒し始めた。

その横顔がとても清々しく見えた。

挨拶をして帰ろうとすると

まっすぐに手を挙げてデモンストレーションに臨んでくれた学生が「ありがとうございました」と、見送ってくれた。

 

毎熊先生の授業で

誰よりも、私が清々しい思いをもらったのだろうな。