その瞬間込み上げた。自分でも、えっ?と感じた。
博多大吉の声が続く。
「7月にお母さまを亡くされたばかりの、、」
ああ、彼女の気配から何か感じるものがあったんだ。
ある看護学生が画面に映った瞬間だった。
泣きそうになった。
ロールプレイの間も泣きそうになるのを何度も抑えた。
ロールプレイが終わった途端に、看護学生は堪えきれないように泣き出した。
「余命もあと少しの患者さんのことを想うとつらくて、でもそのことに触れないように。でも、症状は知りたいのにどこまで踏み込んでいいのか」
いつしか泣きじゃくりながら、そしてなんとか感想を言葉にしてくれた。
そんな気持ちだったんだね。
よくわかる。
ずっと想ってくれていた。ずっと一緒に感じてくれていた。
それは最初の気配から伝わってきていたよ。