「コロナ禍の中でもあきらめずに演習して下さってありがとうございます」と、伝えると
担当の山内先生は即座に言われた。
「あきらめきれないですよ!」
4名の院生たちとのロールプレイ。
ロールプレイが終わっての彼らの言葉は
本人が一番気づいてることをまざまざと教えてくれた。
「何か言わなきゃ、うまく言わなきゃ。当たり障りのないことを選んで、間違ってないことを言わなきゃって、、」本当に参りましたとでも言うように彼女は言い終えて笑った。
「率直に言うと、はぐらかしました。情報提供に自信がなくて。いつ言おうか、いつ言おうかと思ってるうちに終わってしまいました」
まさにそれが見て取れるやり取りだった。
彼ははぐらかす自分に葛藤しながらもロールプレイをしていたんだ。
素晴らしい気づきたちに出会える途方もない喜び。
山内先生のロールプレイでは、患者の方が自らこころの整理をしていく様を見せてもらった。
寄り添うという真髄を見たように思う。
「そうよね。本当にそうだけど。それって、どんな時?」の山内先生の返しが、あのお笑い芸人ぺこぱを彷彿とさせた。全肯定返しと呼ぼう。
昨年2月、ちょうど1年前のロールプレイで過呼吸で、途中退座したあの院生は、10月の時にはいい表情を見せてくれて、SPたちは一様に胸が熱くなった。
そして今回は、「あっ、あの時私いませんでした」と自分から話題をふって、みんなを笑わせた。
演習のあと、誰よりも先に
山内先生に「先生、次は?」と、次回の日程を催促してくれたのはその彼女だった。
遺伝カウンセリング演習。
今回も泣けました。