この痛みはなんだろうと悶々とした。
利用された?
SPはコミュニケーションを教える役割ではない。
SPは患者を代弁する役割ではない。
いや、まさにこの2つの役割として使われたのだ。だから、利用された?という気持ちになったのだ。
脳梗塞で片麻痺になり、半年間も嚥下訓練を頑張って、やっとペースト食が始まった長谷川さんという役だった。
そのロールプレイの中
「アンケートみたいで喋るのがつらい」と言うと
学生は
「じゃあ、質問に対して首を振ってください」と言った。
ファシリテーターが言う。
「貴重なご意見を頂きました」
またある学生は
「家に帰ったら料理作られるんですか?」
と、聞いてきた。
「片麻痺だから、無理よ」と言うと
「片麻痺だから出来ないんですか」と、返してきた。
そのロールプレイが終わって
ファシリテーターよ、ため息をつくなよ。
「片麻痺という言葉を、私は使いたくないなあ」って、まとめるなよ。
長谷川さんは怖い患者さんで終わってしまった。
そんな教育で、何が生まれるんだ。
この演習はいったい何が目的なんだ。
嫌になる。悲しくなる。
でも、でも、
就実大学薬学部の演習で
今日も救われた。
(次回に続く)