高校時代、最初に仲良くなった彼女に
突然無視をされるようになった。
それは本当に突然だった。
他の友人を介して一緒にいるのだけど
私とは目も合わさず、何も話さない。
しばらくそんな状態が続いた。それでも私は普通にしていた。必死で何事もなく一緒にいた。
「何かあったん?私が何か嫌なことした?」
何度も何度も繰り返し思うのだけれど、結局言葉にすることはなかった。そしていつしか離れていった。
高校を卒業して、その彼女とは、いつの間にか話すようになっていた。その時の理由も聞いた。
東京で暮らす彼女とは、今もたまにメールでやり取りしている。嘘のないやり取りができている。
でも、あの時「何かあったん?」と、何故聞けなかったのか。今もそれはこころのどこかにこびりついている。
そんなことをまた思い出したのは、神戸大の医療面接実習の録画を観てからだ。
オンラインと言えど、久しぶりの神戸大実習。
以前やっていたように、SPが進行をすることにした。それが良いと思い込んでいたから。
担当の森先生と息が合っていないのはわかっていた。明らかに嫌がられている気配も伝わっていた。3回目を終えて、さすがに無理だと思った。
進行は森先生に任せることになった。その最初の実習が映像で届いた。
森先生は、まさに水を得た魚のようだった。
生き生きしていた。
早く話せば良かった。
SPが進行するのは嫌なんだろうなあと感じていても、また頑張ってしまった。
自分だけじゃなく、関わっているみんながしんどい。
感じたことを言葉にする。伝える。
この作業がなんと難しいことか。
40数年を経て、しみじみ思う。