川崎医科大学3年生医療面接実習。

1組目。

「患者さんを見たいと思う。でも、メモに逃げていた」

「患者さんはもっと話したかったことがあったと思う。気がかりでした」

「もうちょっと聞けるところもあったんじゃないか。心残りです」

ロールプレイを終えて学生本人の感想たち。

ロールプレイを終えて訪れているその想いにこそ

SPは拍手を送りたい。

私はSPとして大きな忘れられない体験があった。

「お名前をフルネームで教えてください」

その言葉にすぐ応えられなかった。

何故なら込み上げたからだ。

その学生の眼差しに、聴かせてくださいというなんとも言えない深いあたたかさを感じた。

一瞬にして包み込まれるような。

そして、1組目が終わった時、一人ひとりにありがとうと言いたい想いになっていた。

 

そして、2組目。

「あらかじめ用意した質問ではなく、患者さんが今どう思っているかが大事だと思いました」

「私は本当に患者さんを見れていなかった」

「沈黙が続いたのが悔しかった。共感することが恥ずかしかった」

「人と話すとパニックになるんです」

「もっと患者さんの声を聴きたいです」

振り返りながら、なんて宝物のような学生たちの感想だろうと思う。

2組目の最後にSPの代表として学生たちに伝えた。

「こんなにも真摯に向き合ってもらえることがあるでしょうか」

 

川崎医科大学3年生医療面接実習。

4日間が終了して思う。

学生たち一人ひとりの眼差しのあたたかさと一生懸命さに、反対に私はどれほど真摯に向き合えただろうかと。

学生たちに、問われ続け癒されていたのは

SPである私の方なのだろうと。