医療センター看護学生の演習で
熱が下がった入院患者に足浴を提案する場面。
「熱が低いので足浴をしましょう」
いきなり始まった。
足浴をすすめることに力が入っている。
「足浴って誰がしたいの?」
いったんその力をしずめたくてそう聞いた。
「私です!」さすがにこちらも観念した。
「私に足浴してもらわんかったら怒られるん?だったら、足浴してもらったらええよ」
「すみません。すみません」学生は謝りながら足浴の準備を始めた。
そこでロールプレイが終わった。
学生の感想だ。
「足浴をしてもらうという使命感がありすぎて患者さんを困らせてしまった。私が怒られるって見えたんだ。申し訳ないです。不甲斐ないです」
そして学生は自ら気づいていた。
「自分が見えませんでした」
演習が終わって、先生とSPの反省会に珈琲を出してもらえる。
随分前に、珈琲でなく紅茶にして欲しいとお願いしたことがあって、いまだに私には紅茶が出てくる。
なんともぐっとくる。