岡山県立大学栄養学科でのオンライン面談。
パソコンの画面には3人の学生が映し出されていて、糖尿病の平井という患者で参加すると、学生達の挨拶で面談が始まる、、はずだった。
映し出された学生の2人は無表情。
1人の学生が、しばらくして「こんにちは」と、声をかけてきた。
面談は始まったけれど、2人は相変わらず無表情のまま、反応もしないまま、1人の学生とのやり取りだけが続いた。
痛々しいほど、1人の学生だけが笑顔で話しかけてくる。
順番なのだろう、やっともう1人が
「おやつは食べますか?」と、いきなり聞いてきた。
「あんまり食べんよ。お土産とかもらった時は食べるけど」
「じゃあ、朝ごはんとおやつの後に珈琲は飲まれますか?」
「?、、何が聞きたいん?」
その問いかけに、学生は固まった。
すると、再びあの笑顔の学生が説明を始めた。
相変わらず何も話さず反応もせずただ顔が映し出されたままの学生。
こちらが問いかけてから、また何も話さなくなった学生は、ふてくされたような表情にも見えた。
笑顔の学生はとうとう泣き始めた。
平井も何も話せなくなった。
フィードバックで絞り出すように伝えた。
「平井も泣きたかったよ。いったいなんの時間なんだろうって」
管理栄養士の迫田先生は
「平井さんを悲しい思いにさせたね」と。
そしてこう続いた。
「1人で話し続けて、1人で抱えるのではなく、人に頼る。話を振ってみたらどうだったんだろう。それがチーム力だよ。つらい時間だったかもしれないけど、人として学べたのではないかな」
私は救われる思いだった。