自分が思っている以上に葛藤していたのだと思う。
就実大学薬学部3年生の演習に参加して、こころの決壊が崩れた。
演習の始まりに洲崎先生が話された。
「この演習でたくさんこころに刻むものがあると思います。糧になるものがたくさんあると思います」
声が出そうになるのを抑えた。
それほど込み上げた。
人がいる。それが何より大事な事だ。
演習最後に私は申し訳ない想いで話し始めた。
何を言えばいいのだろう。言葉にすることが空虚な感じすらした。
SPとしてではなく、私が本当に感じたことを話そう。
「私は今日洲崎先生の話を聞いて泣けました。それは洲崎先生が洲崎先生だからです。脱線しますがこの間のOSCEで、私は込み上げる体験をしました。こころを感じたからです。OSCEでそういう体験はそんなにはありません。マニュアルだけを覚えるのではない、そこに人がいるんです。それは毎熊先生をはじめ、こうした3年生の演習をするという先生方の情熱があればこそだと思います。今日の演習で、自分は本当の自分だったろうかと問うて欲しい。その機会になれば私は嬉しいです」
そして、毎熊先生が想いのバトンをしっかり引き継いでくれた。
「始まりに洲崎先生の言葉がありました。そして前田純子さんの言葉がありました。
言葉に想いが乗っかります。皆さんの存在がある意味医療なんです。クスリ以外に皆さんの存在があるから、考えや想いが言葉に乗っかっています。言葉とかクスリだけではなく、相手がどう受け取ったのか、相手に伝わったのか。
自分の存在を含めて医療なんです」
力いっぱい拍手をした。
拍手に想いを込めた。
私の中の葛藤に、光が差し込んだ想いだった。
ここからまた私のSPが始まると思う。