看護科の夜勤帯実習。
隣のナースステーションから聞こえてくるモニターの機械音まで本当に病室にいるようだ。スタンバイしている間に確かに少し本気で寝ていた。
最後、まとめでのフィードバックの時。
「パニックになってしまって、患者さんに寄り添う。それさえもできなくて、申し訳なかった」
学生は涙を流し続けた。
それは連鎖していく。
学生たちが次々に実習で出会った患者さんとのことまで話すのだ。
「あなたで良かったと言ってもらったけど、本当にそうだったんだろうか」
「私は患者さんに我慢させていたのではないだろうか」
いつしか担当の先生方も共に泣かれている。
そして、学生は泣きながら続けた。
「私は看護師になりたかった。国家試験も受からないといけないけど、今日どうしてもなりたい!って思いました」
こころ打たれた。
その反省は後悔は、必ず次に繋がるものだった。
帰り見送ってくださった先生に伝えた。
「先生たちも一緒に泣かれるなんて、もうそれだけでも、なんて学校なんだろうって、こころ打ちました」
「私も、先生方も学生たちと同じように患者さんを思い出したのだと思います」
命が繋がっていく実習が、ここに確かにあった。