人に助けを求められるということ。

コンビニから車を出そうとすると見た事のない赤い表示が出た。それでもつい動かそうとアクセルを踏んだ。

明らかにアクセルの動きが重い。

車道に出かけて、やばい!と思ってバックにしてアクセルを踏むと、動かなくなった。

慌てて、車を出て家人に電話をするけれど

どうしようもなくて。

そこに軽トラのおじさんと目が合った。

中途半端に停めた車の私を確かに心配して見てくれていると感じた。

「すみません!車が動かないんです」と、近づいて行くと、おじさんは「こんな格好でいいですか?」と作業着の汚れを両手ではたきながら私の車の方に歩いて行かれた。

車のキーの電池が減っていることを、おじさんはすぐにわかったようだった。

車は再び動いて、安全な場所に移動させてくれた。

その流れはなんとも自然で、そしてすっと去って行かれた。

私は頭を下げて見送ることが精一杯だった。

訳も分からないことが起こって慌てたけれど

こうしておじさんに助けてもらえた。

その余韻は、なんとも言えないあたたかさで今も私を包んでくれている。