今年もオンラインでのSP演習になった。
コミュニケーション障害学科SP演習の最後に
「SPから伝えたいこと」をスライドを使って話した。上手くいかない。ばたばたとこころが落ち着く間もなく、てんやわんやで始めてしまった。
どの様にスライドが映って、そして動いているのかが見えない。自分の表情すら見えない。
その中で、自分だけが見えているであろうスライドを動かしながら、ただ伝えたいことに集中した。
その後に、全体を通しての学生たちの感想を聞いた。
1人目だ。
「その人にしかできないコミュニケーションと聞いて、こんなに緊張してこんなに話せなかった私でもいいんだと思えた」
えっ?正直思った。
それからだった。
「人間と人間が出会うという根本的なことに気づけた」
「反省点もいっぱいあったけど、自分らしさにも気づけた」
「そのままの自分でもいいんだ」
「これを聞こう、あれを聞こうって、質問の正解を見つけるのではなかった」
「こう言わなきゃ、でも、正解はなんだろうって、考えるコミュニケーションだった。スライドにあてはまっていた」
「自分が感じていることは、相手も感じていると痛感した」
「あなたが見えたとSPさんにフィードバックされたことの意味が、最後のお話を聞いて納得できました」
「自分の中に生まれてくる感情を忘れないようにしたい」
「考えるコミュニケーションが出てしまった。こころが動いたことを素直に出せるようにしたい」
「正しいやり取りを考えてばかりいた。私らしいコミュニケーション、その人にしかできないコミュニケーション、それでもいいんだと思えました」
「自分らしさにも気づけた。自分にしかできないコミュニケーションを目指していきたい」
「考えて反応してしまった。こころを通じてこころの動きを大事に、感じるコミュニケーションを目指したい」
「1人の人として向き合うことの大切さを実感しました」
「コミュニケーションの本質に立ち返りたい」
必死でメモった。
そして、1人1人に拍手した。
そしてまた書いた。
学生たちの想いが伝わってきて。伝わってきて。
形ではない、見えるものではない。
伝わるものは、見えないものなんだ。
学生たちの気づきに、私こそが救われて
そのことに気づかされた。
SPから伝えたいこと。
“考えるコミュニケーション・感じるコミュニケーション”
コミュニケーション障害学科の学生たちによって
命が吹き込まれた言葉になった。