ご依頼から演習までの時間が短かったこともあり
当日の打ち合わせで、決めていなかった大事な点がどんどん出てきた。
一番慌てたのは、フィードバックの流れだったけど、それもなんとか全員で共有できた。
それから、ファシリテーター役の先生とそれぞれの配置についたところだった。
ロールプレイが始まる5分前に1グループ6名の学生がベッドの前にスタンバイすることがわかった。
そこで、また少し慌てながら「5分もの間、学生たちの前にさらされるのはつらいですし、もう役になりきってますので、カーテンを閉めておいてください」と、お願いした。
先生は「もちろんです。そのつもりです」と言われたので、さすがにそうだよなあと、こころの中で思いながらほっとした。
ばたばただったけど、なんとかスタンバイできた。
サイドテーブルに片腕を置いて、うつむき加減に座った。
残念ながら曖昧なスタートの合図。
しかし、始まる!
と、「挨拶させてください」の声と同時にカーテンが開かれた。
「よろしくお願いします!!」
うつむいたまま、声のする方に顔は向けなかったが、横一列に並んだ6人が頭を下げるのが
確かに横目にうつった。
そして、再びカーテンが閉じられた。
打ち合わせは、どこまでもやらなければいけない。
ロールプレイが始まる瞬間まで、私は後悔していた。