打ち合わせがどこまで大事なのかを知る瞬間。

関西福祉大学看護学科2年生の演習は

ご依頼から演習までの時間が短かったこともあり

当日の打ち合わせで、決めていなかった大事な点がどんどん出てきた。

一番慌てたのは、フィードバックの流れだったけど、それもなんとか全員で共有できた。

それから、ファシリテーター役の先生とそれぞれの配置についたところだった。

ロールプレイが始まる5分前に1グループ6名の学生がベッドの前にスタンバイすることがわかった。

そこで、また少し慌てながら「5分もの間、学生たちの前にさらされるのはつらいですし、もう役になりきってますので、カーテンを閉めておいてください」と、お願いした。

先生は「もちろんです。そのつもりです」と言われたので、さすがにそうだよなあと、こころの中で思いながらほっとした。

ばたばただったけど、なんとかスタンバイできた。

脳梗塞片麻痺の79歳の内田に命を吹き込み

サイドテーブルに片腕を置いて、うつむき加減に座った。

残念ながら曖昧なスタートの合図。

しかし、始まる!

と、「挨拶させてください」の声と同時にカーテンが開かれた。

「よろしくお願いします!!」

うつむいたまま、声のする方に顔は向けなかったが、横一列に並んだ6人が頭を下げるのが

確かに横目にうつった。

そして、再びカーテンが閉じられた。

 

打ち合わせは、どこまでもやらなければいけない。

ロールプレイが始まる瞬間まで、私は後悔していた。