嬉しかった。

お店に入って、10cmほどの段を上がろうとすると、大胆につまづいた。 両側に持てる場所があり、瞬間掴んだので転ぶことはなかったけど、必死で転ぶまいとして踏ん張った足が、床を踏み鳴らしてしまった。 ダンッ!!大きな音が響いた。 周りの人達がいっせ…

看護教育。

最期は家で過ごしたいという終末期の中井さんという患者だった。 「早く退院したいんですね?帰ったら何がしたいですか?」 「・・・ここで死にたくないから」 「ここで死にたくないんですね」 繰り返された。 「今、何か不安がありますか?」笑顔に見えた。 え…

SPから伝えたいこと。

今年もオンラインでのSP演習になった。 コミュニケーション障害学科SP演習の最後に 「SPから伝えたいこと」をスライドを使って話した。上手くいかない。ばたばたとこころが落ち着く間もなく、てんやわんやで始めてしまった。 どの様にスライドが映って、そし…

山や谷が深ければ、人生の景色はより美しい。

岡大医学部2年生の医療面接実習。 大学には赴けたけれど、学生とはオンラインでの面接になった。 大学の設備もどんどん整っている。学生達もオンライン慣れしているのだろう。そんなに大きなアクシデントもなかった。 さて、そんな中での出来事。 私は石川さ…

コンビニでの一喜一憂。

まずは一喜の方です。 トイレを借りると、トイレットペーパーホルダーの隙間に、紙くずの塊が詰められていた。 汚い感じはしないけど、このご時世、触ることには躊躇した。 トイレを出て、黙っておくこともありだけど それこそこのご時世ゆえ、あの状態はダ…

一喜一憂。

にじいろカルテというドラマで 「一喜一憂の一喜でーす!」と、主人公が喜んでいるワンシーンがあった。 なんとも印象的で、主人公が可愛くて 気持ちが緩んだ気がした。 一喜一憂なんてするから、エネルギーがアップダウンして疲れる。だから、一喜一憂はし…

ある死を通して感じたこと。

先週のことだ。 岡山の県北を車で走っていた時に 起こったばかりだろう事故に遭遇した。 横たわっていた年配の女性は傍らの人に背中をさすってもらっていた。 その女性が亡くなっていたことを知った。 それを知った時に なんて辛い不幸な最期だと思ってしま…

2022年の始まりに想うこと。

今年初のSPは龍谷大学栄養学科4年生の オンライン栄養指導。 設定そのものがオンラインなので自然に入れる。 「オンラインは初めてですか?設定が大変ではありませんでしたか?」 そんな質問から始まる学生もいれば 「明けましておめでとうございます!」 …

就実大学薬学部の教育には命が充満している。

3年生の演習の始まりに 須崎先生が話される。 「岡山SP研究会の皆さん、そして、この演習の場をこころ砕いて繋げて下さる毎熊先生をはじめとする先生方、たくさんの人の熱い想いを持って この演習の場ができています」 「この演習で、こころに刻むもの、そ…

SPの役割。

この痛みはなんだろうと悶々とした。 利用された? SPはコミュニケーションを教える役割ではない。 SPは患者を代弁する役割ではない。 いや、まさにこの2つの役割として使われたのだ。だから、利用された?という気持ちになったのだ。 脳梗塞で片麻痺になり…

共に生きているという実感。

その看護学生は明らかに、役に入っていなかった。関わってはもらっていても、まるで無関心のように感じる場面もあった。 ロールプレイの後の学生の感想だった。 「気づかなかったことで患者さんを不安にさせた。もっと気づかなければいけないと思った」 振り…

SPとして思い始めていた時。

自分が思っている以上に葛藤していたのだと思う。 就実大学薬学部3年生の演習に参加して、こころの決壊が崩れた。 演習の始まりに洲崎先生が話された。 「この演習でたくさんこころに刻むものがあると思います。糧になるものがたくさんあると思います」 声が…

SPをして思い始めたこと。

ロールプレイで起こったことにフィードバックをかける。 SPとして当たり前のことなのに、何か違和感を感じ始めていた。 オンライン面接が増えたこともあるかもしれない。 ロールプレイする前にスタンバイしている時からその人が見える。 いざロールプレイが…

島谷先生のフィードバック。

県立広島大学理学療法学科SP演習。 転移性脳腫瘍で入院している、余命3ヶ月の鶴田という役。 ある男子学生。ロールプレイが終わっての感想だった。 「鶴田さんの話に踏み込むべきか、話題を変えるべきか迷った」 島谷先生 「迷う時はおおよそ突っ込んでもい…

ここ!ここなんです。

1人でスーパー銭湯に行った。 その時の出来事。 お風呂から上がって脱衣場のドアを開いた瞬間に気づいた。 腕につけていたはずのロッカーの鍵がない! 慌ててお風呂に戻って探した。 おばさん達が裸のまま(当然なんだけど)連携して探してくれて、スタッフに…

猫の不思議。

2階でずっと寝てたはずなのに オンライン実習が始まろうとすると 何故か降りてくる。 なんなのだ?

残しておきたかった。

こんなにこころに残るフィードバックの時間はなかった。 看護のOSCEとは言えど、10分間を使い、学生とSPと先生とロールプレイを振り返る時間。 SPとして、なんて幸せだったろう。 「ああするこうするではなく、その瞬間どう思った?」 振り返りながら、つ…

久しぶりにSPとして、を思った。

返すことに躍起になると、こころは繋がらない。 「どうしてそう言われるのか」を想像して欲しい。 それは、まずは受け止めるという一呼吸が必要だと思う。 すぐに返された時の、なんともいえない寂しさ。 SPは想像する力が必要だ。 ならば、まずは受け止める…

県立広島大学看護学科。

入院患者の設定でオンラインでの演習には限界がある。 でも、想像の限界は創造の限界なんだ。 そう思えるロールプレイがあった。 画面に映る岡さんは、もうすぐそこにいた。 「お話し聞きに来ました」と。 私のことを聴いてくれている。 私の物語を聴いて反…

LAWSONにて。

夕方、揚げ物を買おうとすると 帆立貝柱大葉揚げとアジのフライのどちらを買うか迷った。 少しの問答の後、私が食べたい帆立貝柱に決まった。 そのやり取りを聞いていたスタッフが 「今なら揚げ物半額です」と一声。 「あっ、じゃーアジのフライも!」 なんか…

忘れない。

目に力がこもっていた。 しっかりと私を見てくれていた。 どれだけのあたたかさが伝わってくることだろう。 言葉が命を持って溢れていた。 これがOSCEなのか。 一瞬忘れてしまうほどだった。 泣きそうになった。 OSCEでこんな体験ができるんだ。 あなたはす…

OSCE。

OSCE前の医療面接実習。 学生達は気づいている。 「聞かないといけない項目ばかり考えてしまった」 「項目だけでなく、患者さんの気持ちを第一にしないといけないのがわかった」 「型通りだと、患者さんに寄り添うことから離れていく」 「項目の消費だけはや…

日常。

たかだか2日間だけど、続けて早朝出勤をした。 朝陽が昇る東に向かって車を走らせる。 1日目のこと、車から降りて点滅信号のボタンを押すおじさんが見えた。 渋滞が始まる道に出にくいのだろう。 2日目。 昨日と同じおじさんが点滅信号のボタンを押すとこ…

川崎医科大学で。

学生の実習の最後にSPの代表として感想を伝える。 「マニュアルだけでない、人として関わることも大事にして欲しい。だからこそ庵谷先生が、この場をつくって下さっているんです」 この言葉を伝えるられることがどれだけすごいことなのか。どれだけ幸せなこ…

想定外って。

驚くだけでなく、慌てるだけでなく、楽しむこともできるんだと、つくづく思う。 すでに3ヶ月近く通った歯医者でのこと。 1ヶ月ほど前のこと、麻酔注射を刺したところが 押すとまだ違和感があって、今日麻酔を打たれるのが怖いなあと衛生士さんに伝えた。 「…

川大4年生OSCE実習。

OSCEに向けてマニュアル通りだけではなく 人と人の出会いを大事にして欲しい。 と、毎年最後のまとめに代表して伝えるつもりがあった。 ところが、どうだ。 この4年生達は、人と人の出会いを大事にしていた。その想いに溢れていた。 ロールプレイが終わって…

OCSIAはやっぱりOCSIAだ。

久しぶりに対面での医療面接をした。 そして、対面で言えば3年ぶりくらいだろうか。 5年生の増田くんとのロールプレイ。 それも家族面談。今日は夫婦で。 すっと目が移動する感じが気にはなるのだけど 夫婦揃って引き受けてもらえてる感がすごい。 患者役…

自分が見えない。

医療センター看護学生の演習で 熱が下がった入院患者に足浴を提案する場面。 「熱が低いので足浴をしましょう」 いきなり始まった。 足浴をすすめることに力が入っている。 「足浴って誰がしたいの?」 いったんその力をしずめたくてそう聞いた。 「私です!…

変な緊張感。

1人でお昼を食べるのに どうしても食べたかったお店中華そば片山に向かう。 定休日…。 中華そばにこだわって、支那そば餐休に移動。 ここも初めて。馴染みな感じのお客さんがどんどん出入りしている。 自分の中のタイミングを外した。 車から出られず5分く…

聴くということ。

薬の副作用のトラウマがあって薬が飲めないという東野。 「どんな副作用だったんですか?」 聴いてもらえた。 「なんからくになった。言えてよかった」と伝えると 「聴けて良かったです」 「医師に相談してもいいですか?」 と、たずねられて「はい」と応え…